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判決への道程 その6 真実を求める雫たち

2024.02.21

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水しぶき

「和解の模索と請求額」

 前回のブログ更新から2年が経過しました。その間、私たち原告農家と被告農協側が「弁論準備」という陳述のための法廷を全く開かなかった訳ではなく、裁判官の入れ替えに伴う裁判体(合議制)の構成変更があってのいくつかの争点整理と請求額を確定する数値で原告・被告とも齟齬がないように行ってきました。

「裁判官の事実誤認」

 ちょうど一年前になりますが、裁判所からの心証開示に真を受けた被告農協の和解案が提示されました。それは大きな争点の「直販メリット」の返還でした。被告農協自らが不法な徴収を行ったと認めたのです。このことは原告、裁判所、被告農協が7年の年月を費やして合意に達した点だと評価をします。ただ、開発米などを対象とした直販メリットの「反訴請求分」を差し引くなど、到底受け入れることが難しいものでした。直販メリット以外の争点、約定書に記載のない控除項目である販売生産対策費と倉庫利用料の返還は認めていないなど、心証開示した裁判官の事実誤認を指摘しなければならないものですし、われわれ原告団として受け入れることは到底出来ないと言う結論に達しました。改めて間違った事実認定を覆すべく新しく「口頭弁論陳述書」を提出し、なおかつ原告が最大限譲歩し得る請求項目と請求額を「対案」としてまとめて裁判所に提出しました。

「農協和解案への不同意」

 被告農協側は一部の執行部しか裁判情報は共有していない。また正式に理事会にも掛けていないなどと漏れ聞くところから、和解とは双方が妥協し得る現在点を探るものであり、その理由においてこの残念な「結論」に至ることは必然とも思える。改めて被告農協の当事者能力の欠如と生産者すなわち組合員あっての協同組合であることを蔑ろにした裁判経過であった。

 この7年もの年月をかけた裁判のための証拠書類は膨大な数に上ります。米の精算情報を出さない農協とわずかに入手した精算書から指摘する求釈明の連続でした。その結果、なぜ「分かり難い精算」でなければいけなかったのか? が、今だから解るような気がします。悲しいことですがコメ出荷農家だけからしか精算を誤魔化せなかったのかも知れません。

「農協は全生産者に返金せよ」

 DSC_0008「真実」という源流の小さかった雫が大きな川となって流れています。私たちが求めてきた約定に沿った米の精算が正しいことが証明されました。庄内みどり農協が合意なく徴収し続けてきた本来の精算金を、徴収した生産者全員に返金するように私たちは被告に対し求めました。私たちは原告だけに返金されれば、この裁判の目的を果たしたとは考えていません。そのため、私たちは和解案の一つとして、全生産者に返金する事を求めてきました。

 農協は組合員の所得の向上を大きな目標として活動している組織です。しかし、現状は生産者から不法にコメ代金の中から金員を徴収し続けてきたのです。自らの不法な徴収を認めながら、徴収した全生産者には返金しないと表明したのです。このことを聞き私たちは被告農協が提示した和解案を受け入れることは出来ませんでした。これが今回の弁論準備で私たちが裁判所に対し、判決を求めることをお願いした理由です。

真実求める雫たち 大きな源流となり みどり豊かな田圃を潤す

つづく

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