農協の資材店舗で肥料・農薬などを予約注文した組合員に、庄内みどり農協オリジナル帽子の進呈がありました。
シンボルマークの上部グリーン部分は“MIDORI”の「M」、新緑萌ゆる山並みであり、自然の生命観・フレッシュな躍動感を表現しています。下部のオレンジ部分の楕円は、大きな恵みをもたらす豊かな大地をイメージさせるとともに、新しいフィールドを見据える眼、既成概念にとらわれることのない自由な発想を生む無垢な瞳であり、行動力あふれる情熱を表現しています。(→農協HPより引用)
先日、原告団への勧誘に数名の組合員へ伺い、委任状に署名・捺印を戴きました。4名の提訴から始まった今回の約定に沿ったコメ精算金支払を求める裁判は、同意して戴ける組合員の着実な拡がりを見せ、100名を超える規模にまで膨らみました。私たちが勧誘すると組合員の皆様は、行く先々で本裁判をマスコミや人づてにご存じなのか関心を寄せる方が大半で、説明を聞き終えた途端に理解して同意を戴けるので逆に驚いてしまいます。現在は100名超えでひと区切りの「原告団第一陣」としての判決を山形地方裁判所鶴岡支部から戴きながら、「原告団第二陣、第三陣」と他の組合員の皆様への拡がりを勧めて行きます。
さて、提訴してから足掛け3年目の年の瀬を迎えています。前回の弁論準備手続きでは、3名の裁判官が出席し原告・被告双方に対して主張の明確化と争点の集約化を促すと同時に、現在の担当裁判官の下で早期に裁判の終結を目指す旨の表明がありました。要は、『準備書面で拡張項目の決定と最終の主張をせよ!』という意味と捕らえて、近々最終判断(和解か判決か)を行なわなければならないと言う強い意志を感じた法廷でした。
そこで、原告団が本訴訟の最終準備書面に載せる請求金額の根拠とする争点をまとめてみました。
『約定に沿った精算を求めます!』
これまで私たちは一貫して約定(契約書)に沿ったコメの精算を求めてきました。そして、この裁判を通じて分かってきたことは、被告庄内みどり農協が自ら策定し、決定した定款・規定・要領・約定を守らず、被告の都合の良いようにコメの精算を独自方法で行い、不当な収益を上げた事実が浮き彫りになってきたことです。
①2重に徴収している事実を確認
倉庫利用料・販売生産対策費・検査手数料を約定(契約書)に反して共同計算の外で徴収し、共同計算内の経費を少なく見せ、いかにも精算額を高く見せて、庄内みどり農協が販売するコメが高く売れているような錯覚を私たち組合員のコメ売渡農家に感じさせていました。
②過払いが無い品種からも一律459.23円/俵 引落し
私たちがコメの問題に疑問を持つきっかけの平成21年産米が大暴落した年産の精算では、全農委託販売分の一部の品種が仮渡金の過払いが生じる事態になり、ドサクサに紛れて過払が発生していない品種も含め全品種から、459.23円/俵当たり を徴収していることも判明しました。
③直販メリットで約定に記載のない農協収益を上げていた
また、被告農協は、約定から逸脱した精算方法を行い、共同計算の外で経費をコメ売渡農家に負担させ、共同計算内の農協直接販売米の経費に充て、経費を減額することによって農協直接販売米の最終精算金を増額する方法を取りました。そして、不正に増額した農協直接販売米精算金と全農委託販売最終精算金の差を直販メリットと称し、その半分を農協の収益としました。農協はコメ売渡の当事者ではありません。組合員から委託販売を請けて、その手数料収入しか得られないのが農業協同組合なのです。
『農協は和解を蹴り反訴するらしい!』
このように、被告農協は自らの収益を上げるために、約定(契約書)を無視し不正にコメ売渡農家から徴収を続け、その金額は出荷数量が確定できる平成18年産米から平成25年産米までの8年間で、約10億円を超える莫大な金額になります。さらに賠償額に対しての利息計算を合わせると、巷でニュースになっている日産会長のK・ゴーン氏のように金銭感覚が麻痺してしまうほどの数字となるでしょう。
被告農協は裁判で反訴を行なうと準備書面に記載し、原告らを脅しています。反訴の意味を原告代理人に聞くと、自らがこれまで行ってきたコメの精算方法が間違っていたと認めることになっても、農協側が得ることが出来る徴収額を増やすことを目的とするやり方も有るとのことです。どうぞ反訴して戴きたい!今までのやり直しが可能なら、「当該年度の過去8年間にさかのぼった品種別・制度別の精算」を4千数百名の全コメ売渡農家の承諾を得て行って戴きたいものです。それが本来の精算方法であり、平成18年にすでに庄内みどり農協理事会で決議していた事項でもあります!
『適正な農協手数料と身の丈に合った経営を!』
先に述べたとおり、農業協同組合は委託販売・委託購買を行なうことが事業主体の根幹である訳ですが、組織が大きくなるにつれ、一部の役員と一部の職員の扇動で上記の不正な精算方法を考案してきました。そもそも農産物販売の当事者ではないことの「勘違いの連鎖」が、平気で手数料収入以外に安易に収益を求める経済観念を生み出しました。
今回の裁判で争点になると、慌てて平成27年に約定内容を変更、26年分まで遡った契約同意を取り付けたことに、違和感を覚えた組合員もいることでしょう。しかし、相変わらずの経費外だしと全農委託分と直販分の手数料を同じにする「全農見合い分販売手数料」の創設など、理解に苦しむ農協収益の構図になっています。素晴らしくも「全国でもトップクラスの手数料収入」であることには変わりません!あの「秋田おばこ農協」でさえ、不祥事の補填を何の罪もない組合員が被り、農協手数料を値上げした金額でも500円/俵なのです。今は退職なされたOBの方が仰っていたのを思い出します。「庄内みどり農協は1俵当たり800円も取らないと潰れます・・・!」
先日、不作対策なのでしょう。突然、水稲再生産支援金なる補助金が口座振込みになりました。農協手数料を財源に今年のコメの予約数量に対して、250円/俵を交付したそうです。執行部が税務署から贈与に該当しないようにアイデアとして捻り出した「新技」なのかも知れませんが、過去には農協資材予約に対しての助成金が払われていますが、一貫性のないその都度の大盤振る舞いのばら撒きに農協経営を心配するのは筆者だけでしょうか。もし、そんな余裕がある庄内みどり農協ならば「農協手数料を初めから高く取るな!」と思ってしまいます。「農協手数料の適正な査定」を行なう必要があると思うのですが・・・。
『今年もご支援ありがどの!』
このブログへ寄稿の「応援メッセージ」と「志(こころざし)」が届いています。本当に有難うございます!活動を後押しして戴ける皆様の貴重なご支援は何物にも代え難い尊いものと感謝いたします。私たち「庄内みどり農協の未来を考える会」は今後とも皆様に支えられながら、組合員の幸せと協同の精神を追求すべく、共に学び、共に実践できる組合員として研鑽して行きたいと考えています。来る新年も来訪者様のご多幸と、何より豊作を喜び合える年でありますよう重ねてお祈り申し上げます!
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判決への道程 その1 大不作と農協 2018.12.24
庄内みどり農協遊佐支店の敷地に入り右側、Aコープ遊佐店の正面道路側に、かつての合併前の遊佐町農協時代のオブジェがあります。その塔の下には不朽の名言の、「 EACH FOR ALL ALL FOR EACH 」 ~ 一人は万人のために 万人は一人のために ~ が書かれた銀板のオブジェがあります。長い年月風雨にさらされ、錆で汚れていてもハッキリと読めるのですが現代は車社会・・・。わざわざ立ち止まる組合員もなくヒッソリと取り残されたように建っていました。
起源は諸説あるようです。航海する船の人たちの助け合いに由来するという説もあります。古いフランスの文献では『三銃士』(1844年)で銃士たちの友情を表すモットーとされ、1823年に英国のラグビー校で始まったとされるラグビーの精神もこの言葉でいまに引き継がれています。協同組合運動では、ドイツ農協運動の父とされるライファイゼンが『信用組合論』(1872年)に使ったのが由来といわれています。
標語の各国語訳とも関連して、「ひとりひとりはみんなのために、みんなはひとりひとりのために」(Each for All and All for Each)とも記されていることや、国際的には『各人』か『一人』かの概念が一致しないままで併記されており現在においては、「One for All…」は「Each for All…」と同義として使われています。
先月8月20日に行われた口頭弁論の当日、原告団に衝撃的な情報が走りました。「団長が緊急入院したと!?」、青天の霹靂・・・まさかの話で、これから法廷で弁論準備が始まろうとしている時に、本人に直接状況を確認する術もなく、山形地方裁判所鶴岡支部第3号法廷にて審理が開始されました。
今年3月16日の裁判所の心証開示で原告の訴えを100%認め、請求金額(賠償金)の確定に入ることを表明したことで、前回5月16日の弁論準備手続きで裁判所は被告庄内みどり農協に対して、今回の弁論準備まで支払金額の確定と根拠を示すよう準備書面の提出を求めていました。
また、それらに伴い原告としても被告への反論と具体的な請求金額の根拠を示さなければなりません。被告としては、もはや支払金額を減額・圧縮を主軸とする論点とするしかない訳ですが、控除項目の倉庫利用料・生産販売対策費さらに直接販売メリットなどは相殺で減額できると主張したり、あろうことか原告83名のうち55名に直販メリットの返還訴訟を起こす可能性があると、「恫喝まがい」な発言までしてきました。もし、農協が組合員に対して返還訴訟を起こす場合は、今までの具体的な精算方法の誤りを認めたうえでの請求事件となるはず、今度は庄内みどり農協全組合員との対峙となるでしょう。農協自身のコンプライアンス違反を棚に上げ、なおかつ役員の「善管義務違反」をも問われる「全国的に大注目の訴訟合戦」になるかもしれません。
それより、今回の弁論準備で裁判長に電卓で計算しても合わないと指摘されるような不明瞭の精算書の添付は、私たち組合員としても大変恥ずかしいことで、一部の役員と職員しか解らないような難解なコメの精算を長年行ってきた「ツケ」が裁判という事態になったことを自覚するべきでしょう!
また、私たちの農協はこれまで同じ家族であれば、請求人が異なってもコメの精算を同一に扱ってきましたが、今回の準備書面では請求人が異なることを理由に出荷数量の減額を行っていました(驚くことに平成25年産米以前の売り渡し出荷数量を4千数百俵も除外された原告もありました)。勝手に徴収(ピンハネ)しておきながら、返す時は同一家族でも名前が異なれば全額返さないというやり方は、協同組合としての本質を見失っています。年金や死去にともなう経営移譲も裁判の争議にする「やりくち」には呆れるばかりです、今後の口頭弁論などで毅然と対処していきます。
また、今回の弁論準備でこの支払請求事件を担当する裁判官の変更があったと言われ、改めて3名の裁判官で合議した結果も前回と同様の「心証開示内容」であると裁判長が仰ったことには驚かされました。原告代理人としても裁判所の心証を開示することも異例で、再度の開示にこの事件における原告の主張の正当性を認めて頂いたものだと評価していました。
さて、9月3日からは庄内みどり農協の秋季農協座談会が始まります。農協からは役員として理事・監事が各地域に説明に上がります。6月の農協総代会直前、組合長理事 阿部茂昭が突然の病気とか!?で緊急入院し、農協の一番大事な決算総会を欠席という前代未聞のアクシデントがあり、組合長代理として専務理事が答弁を行いました。トップが不在なのか原告からの公開質問状の回答や訴訟の事案は司法判断の後でするなど、争点に踏み込んだ説明はありませんでした。その時以来の農協役員との直接対話の場です。あれから3か月近くになるので、「農協側の和解案」をどのように理事会で検討されたのか!? 是非お聞きしたいものです。
昨日、2週間ほどお休みになられた原告団長が今週の学習会から復帰するという嬉しい✉がありました。仮病ではなかったのですね!?←(ブラックジョークです w w ) 平成21年産米の過払い金返還問題や平成25年産米の消費税問題などの他に、精算書を見れば見るほど指摘事項が次から次へと沸き上がります。精算書は理事会に諮った後に何故か回収するそうです・・・。でも数字は嘘をつきません!過去の数値は入れ替えることが出来ないのです。私たち「庄内みどり農協の未来を考える会」は、学習会という場で正しいコメの精算を考え続けながら、「ひとりひとりはみんなのために、みんなはひとりひとりのために」(Each for All and All for Each)で、協同組合本来の姿を取り戻して行きます!
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忘れられた不朽の名言 2018.09.03
法廷での裁判官・書記官は真っ黒の「法服」を身に纏っています。黒は他の色に染まらないことから公正・中立に最も適した色と考えられるからだそうです。原告や被告の主張は聞くが、最後は裁判官の判断で公正・中立に判決をすることの象徴なのだと思っています。もし心証が良ければ原告団にとって「頼もしい精悍な着衣」と見ることができるし、心証が悪ければ「黒い悪魔の着衣」と見える事でしょう・・・。
山形地方裁判所鶴岡支部第3号法廷ラウンドテーブル方式での弁論準備手続きは、同法廷で13:30に行われた他の事件の審理が予定より長引き14:00ジャストに審理開始です。今回も原告団の皆様は大勢いらっしゃいました。担当裁判官の都合で裁判長お一人の出廷となり、前回の口頭弁論以降に受理された準備書面の確認を行い、いよいよ本審理における裁判官3名による合議に則った「心証開示」が言い渡される瞬間が来ました。心証開示とは争議に対する裁判所の「事実についての評価」であることをあらかじめ申し述べます。
『不起訴の合意は認められない!』
合議の結果が明確でないためで、合意のためには明確な文言での明記が必要である。(注釈;平成26年11月 7日の協議などの原告2名と組合員有志による被告農協側との折衝をさす。この場で白状するが遊佐町のコメ売渡農家が多く提携している関東圏の生協組織で肩書のある人物が仲介!? 合意が破綻したので後に手を引く。)
『控除合意についてあるとは言えない!』
約定書の記載以外は合意があるとは言えない。黙示の合意と記載がなく、その効果を認めるほどの内容がない。(注釈;出荷契約時の約定事項おしらせ、精算書の配布、農協座談会資料に記載した控除内容等で黙示的合意があると被告農協側は主張してきた。)
①理事会の決議に拘束されるものと認められない!
理事会に提出された精算書の決議をもって拘束されるものとは認められない。
②無条件委託販売は精算まで任せたものでない!
仮に、約定事項おしらせ・精算書などが「確実に売渡農家に届いていたとしても」合意とは言えない。
③一部の陳述書で組合員の合意があったとは認められない!
陳述書が出されたが、それをもって合意とは認められない。(原告談;3名の組合員の住所・氏名・捺印が明記された陳述書の内容に一部事実誤認があるので確認が必要・・・。)
淡々と心証を述べる裁判長に原告代理人が、「ただいま述べられた事項を文書で戴けませんか?」との要請に対して、裁判長は「文書化は判決になる可能性があるので細部までは説明しない」と仰り断られました。正直にとらえれば「心証と判決」は同じものと考えたほうが良いという意味なのでしょう!?
『以上を踏まえ「和解に進む」のか「裁判を進める」のか?』
そして、被告庄内みどり農協に対しては次回5月16日まで回答をすること、「和解」の場合は事前に上申書の提出を求める。また、原告に対しては和解内容にもよると思うが、態度表明できる内容の検討準備も始めてもらいたい。なお、裁判長が和解を前提と前置きしたが、原告としても一定の譲歩も必要となるだろう。被告が準備書面で述べた「営農振興積立金とする」、これに原告譲歩の関連性を持たせたようにも捉えられる・・・。と、被告・原告双方に進言しました。
原告・被告双方にとって、今回の裁判長の着衣が「黒い騎士か悪魔に見えるか」は、「判決を受ける瞬間」まで待たなけばなりません。まだ、私たちの訴えは道半ば、やっと訴訟の「中間点」に差し掛かったにしか過ぎません。約定どおりで農水省の事務ガイドラインに沿った正しいコメ精算と、透明性のある農協運営を勝ち取るまで、組合員の皆様と一緒になって「庄内みどり農協の未来を」考え続けていきます。
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心証開示の意味するもの 2018.03.24
「く~みあ~いちょー! お客さ~んでーす!」女性職員が奥の組合長室に居られるK氏に向かって、自分の家の親父様のように気さくに呼びかけた事務所の明るい雰囲気に、どんな強面の組合長かと、緊張した面持ちで玄関に入った私らも、思わず気持ちがほぐれました。どこぞの組合長は、とある支店に来ると居並ぶ職員たちを眼光鋭く威圧的に見渡すので、思わず職員たちの背筋が伸びると話しをお聞きしていたもので・・・。
埼玉酪農協同組合 K組合長の話をする前に、Part1で載せた「株式会社MMJ」が作成した図1.図2.に図解しているとおり、なぜこの問題が発覚し訴訟まで発展したのかを若干ご説明いたします。
当初、全農系の酪農家は10%しかなく、独自系の酪農家が90%にまで偏っていた。当然その理由は流通経費がかさんだコスト問題であろうが、事もあろうに全農は不正に共同計算で控除して集めた金を、その10%の全農系の酪農家へ対策費として回したのである。そのため全農系に出荷する人が増えるという逆転現象が起こった。これでは不正控除の金額も減ることになるので対策費が払えず、当初貰っていた収入が大幅に減ったことに疑問を持ったある方が会議で全農埼玉の職員に問い詰めたところ、全農系では本当は6.5円/kg 経費が掛かっていたことを告白して会議は紛糾し問題が露呈した。裁判前は「牛乳に関する事はすべて組合決定に従う義務があると、生産者・農協役員・農協職員の認識不足が根底にあった。
ご紹介して戴いた M社長と私ら3名がテーブルの中央に特大の灰皿が置かれているソファーに坐って待ちます。女性職員からお茶を出され、ほどなくして「埼玉酪農協同組合」代表理事組合長 K氏が応接室に・・・。
名刺交換(私らは自作した原告団 事務局と、庄内みどり農協の未来を考える会 事務局のを作った ← 立派!)をした後に、さっそく私らの訴訟内容と、なぜ埼玉の判例を伺いにお邪魔したのかをお話ししました。ときどき煙草を燻らしながらジッと聞き入る K氏、農業協同組合の販売事業に係る農家と農協の委託契約と約定・要領などに話が及ぶと、「無条件委託販売」という言葉が独り歩きしている。本来は無条件は在り得ない、農協への委託販売とは販売価格と販売先の選定のみを委託しているのであって、農協理事会(役員会)で何でも決議できるはずはない、と理路整然と力強く言い切り、さらに、組合員と農協の間では活字で交わす委託販売契約書でなければならないと、協同組合の基本中の基本を話されました。
また、私らのコメの直販メリット・倉庫利用料・販売対策費などが農家の合意なく引き落とされている点を伺うと、本来農業協同組合の収入は売渡農家からの「販売手数料」だけだ、必要項目であれば個別に委託販売契約書に記載することが必須で、そのことにより「合意」とされなければならないと明確におっしゃいました。また、このような判例が他になかったかをお聞きすると、農協は役員会で何でもできると勘違いしている。だから、一部の役員と職員が結託して悪いことをする。我々の裁判の場合前例がなかったが、判決後は全国から問い合わせがあった。裁判はキッチリとした証拠を揃えて、良い弁護士と良い裁判官に恵まれることだ!
意外だったのは、M社長側から裁判判決を伺ったのは「さいたま地裁熊谷支部」の判決であって、被告の全農は控訴して東京高裁に上告。2審でも覆らず被告全農側の傲慢な裁判態度と「悪意の利得」をも考慮され、地裁判決で2億8千万円の賠償額に1億円を上乗せされ、3億8千万円まで跳ね上がったと背筋が寒くなるような判決を受けたようでした。なお、1審判決の後、2審判決では異例の、26ページにも上る判決文(主文)の言い渡しがあったことも付け加えました。この裁判を原告全面勝訴で結審した全農側は「値引き」を願い出るなどしたようですが、資産売却して賠償金を捻出し全額払ったそうです。
そんなに長い時間の応対でもなかったのに、K組合長とM社長、それに私らの空間に阿吽の呼吸とでも申しましょうか、話題のすべてが理解し合える「同志的」な気持ちになった気がしました。さすがカリスマ組合長です! 会議の時間が迫っているのに、私らには今後の裁判を戦う上で参考になるたくさんのアドバイスまでして戴きました。有難うございました! でも、K組合長、煙草は少し控えた方が良いですよ! お体をご自愛してくださいね・・・。
今回の「群馬・埼玉行き」で得た貴重な体験は、「庄内みどり農協の未来(あす)」を考えるうえで大変参考になった「学習会」でした。と同時に83名の原告団の主張が間違いでなかった事の証明にもなったと思っています。私たち原告団は今までコメの精算方法の間違いを裁判を通して明らかにしてきました。庄内みどり農業協同組合が「間違えた方向」に行こうとすれば、組合員皆で正さなければなりません。一部の役員・職員に組合員と違う道に進むことを「ナビゲーション」させて良いでしょうか? 私たち組合員はこの裁判を切っ掛けにして「庄内みどり農業協同組合の本来進むべき道」を指し示めして行きます!
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爆弾低気圧の中 埼玉へ ーPart2ー 2018.03.12
- 2月から3月に入った直後、北海道沖で発達した爆弾低気圧の影響で、春の嵐が吹き荒れる日本海東北道を新潟方面へ向かい車を走らせました。
車中、筆者を含めた「庄内みどり農協の未来を考える会」のメンバーの話題は、やはり、秋田魁新報がスクープした「JA秋田おばこ の直販米の未収金・累積赤字問題」でした。「これって、農協が組合員にコメの仮払金を多く払ったんだよね・・・!」「JA庄内みどり は組合員から多くピンハネしたんだよ~、どっちが悪質なの!?」
途中新潟から関越自動車道の手前で強風のため通行止め区間が発生し、下道に行くようにと車のナビは容赦のない指示を出します。しばらく行っても高速道路へ戻るような気配はありません。「おかしい!」このままだと郡山・会津若松方面へ行くことになる。車のナビの命令に逆らってスマートホンを取り出してナビ開始、こちらの指示は新潟に戻れだと!? 磐越自動車道に上がり、新潟方面に逆走することになりました。スマートホンは通行止めになった区間が解除になり、磐越→東北縦貫道より新潟へ戻って関越自動車道を行った方が到着時間が早いと判断したようです。「すごい!情報力の差なんですね!」
実は今回の埼玉行きの目的は、昨年春の口頭弁論の中で、人事異動で私たちの担当になられた裁判長が、初めての法廷で述べた言葉に注目したのが切っ掛けでした。組合員が農協を訴える裁判は全国的に多くはありません。そのような中、山形地方裁判所鶴岡支部第1法廷で裁判長は、「判例もあるようなので・・・」と、仰ったことが私たち原告団では話題に上っていました。
インターネットを検索しまくり、ようやくヒットしたのが、「埼玉全農、生乳再販制度悪用に判決」という、群馬県伊勢崎市にある株式会社MMJ(酪農家と乳業を仲介する会社)のホームページの中で、当時の判決文(主文)まで載せられていました。読み進むうちに、コメと生乳、全農と単協の差があるけれど、農家が大きな組織に立ち向かった裁判例であり、私たちと全く同じ内容ではないかと確信しました。
そこには、国からの補助金が唯一受けられ、生乳集荷を全農系農協だけでなく、埼玉県下のその他の酪農家からも一手に吸い上げ、委託販売を請けていた「旧埼玉経済連」が、その利権に胡坐をかき続けコスト削減を怠ってきた結果、経費がかさんだ全農系農協集荷を守るために、「無条件委託販売」での契約上の共同計算に載っていない不条理な控除項目を、全農系外の酪農家の乳価から天引きし、なおかつ体裁を繕うブラックマネーを全農系農協の酪農家だけに還元してきたという、どこかで聞いたような不正経理を告発する裁判だったのです。
私たちは株式会社MMJに、何とかこの訴訟に至ったお話と顛末をお聞きしなければ、と。幸運にもM社長が応対して戴けると言うことで、今回お伺いする事ができました。
(図1.図2.株式会社MMJ ライブラリより引用)
午前10時にお会いすることを約束していただいた株式会社MMJの代表取締役社長 M氏は、平成14年から16年まで2年間にわたった裁判の経過や判決の内容、全農系列農協側から受けた露骨なパワハラ圧力など、貴重な経験談をお話しいただきましたが、私たちの訴訟内容の説明はさすがに難しかったらしく、裁判で焦点となっている弁論内容をひとつ一つ説明すると、「似ていますね!」と、仰っていただきました。ホームページ内容だけからでなく、実際に裁判の内容を直接聞けたことは本当に来て良かったと思い、そろそろ、お暇しようとした矢先、M社長から思いがけない提案がありました。
「この裁判を進めた原告団のリーダー、埼玉酪農協同組合の K組合長をご紹介したい。いま連絡を取ったので、会議が始まる午後2時までは私たちと会っても良いとご返事をいただきました」。 すわっ! M社長が運転する排気量3,700cc スカイラインが高速道路を爆走する後ろに必死に付いて行きました。「はやっ!」
「埼玉酪農組合」に到着後、応接室で待たされます。よもやお会いできるとは思いもしなかった K組合長、後日談で、この裁判が結審後に埼玉 K氏の名前は農林水産省内に知れ渡ったとのこと。緊張してお待ちしました・・・。(Part2へ続く)
株式会社MMJのホームページにこの裁判内容が詳しく載っています。
(https://milkmarket-japan.com/library/saitama-zen-noh-trial/ruled-on-abuse-of-raw-milk-resale-system )
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爆弾低気圧の中 埼玉へ ーPart1ー 2018.03.09
この裁判が始まったころ、提訴の内容が不明朗なコメ精算金支払請求であることを地元新聞・テレビニュースでも大々的に取り上げられました。「組合員が農協に対して裁判を起こす」ことは全国的にも稀で、近隣農協に所属している私たちの仲間内でも、驚きをもってその訴状内容に注目が集まった事件でした。自分の農協は大丈夫なのか?同じように理不尽な精算をしているのではないか? と、自身の所属農協の営農担当職員に問い合わせたそうです。その農協職員いわく 「出来る訳がない・・・!」
民事訴訟の場合、法廷の場は刑事訴訟の「公判」ではなく「口頭弁論」といいます。原告・被告双方の主張と反論を事前に「準備書面」で示し、そのやり取りの中で確証を積み上げていく裁判となります。現在まで第6回の口頭弁論が開かれ、昨年11月の第7回と今年に入って1月31日の第8回口頭弁論は、「弁論準備」というラウンドテーブル方式(丸テーブルに原告代理人・被告代理人・裁判長・担当裁判官・事務官が座る)を取った法廷形式で行われました。裁判長は疑問点を双方に質し、論点を整理しながら進め、効率的に弁論要旨を確認しようとしているようでした。当然、丸テーブルの後方には原告・被告が当事者として座っているので、代理人が裁判長からの質問に窮するときは、その都度相談しながら返答する場面も出てきます。
前回の弁論準備と1月31日の今回の法廷には、83名の原告団のうち15名ほどが出廷しました。さすがに原告団の大人数が入れる法廷は山形地方裁判所鶴岡支部には無いようです。これまでの口頭弁論と同じく、多くの原告の皆様が関心を持って傍聴や出廷をすることは、この裁判の行方、すなわち当たり前の正しいコメ精算と協同組合の在り方が問われる裁判であることの「証し」だと思っています。残念ながら被告席の方を拝見すると、阿部茂昭 組合長および他の農協理事らは出廷していません。農協職員の総合対策室長(裁判担当が仕事のようです←前 営農販売部米穀次長)が、ただひとり被告代理人に助言していました。
私たち原告は第1回口頭弁論から一貫して、農協へのコメ売渡に伴う出荷契約書(約定)に載ってない控除項目(直販メリット、米生産・販売対策費、倉庫利用料)は違法な搾取であると論破し続けてきました。提訴の前後には農協側から露骨な取り下げ圧力も受けましたが、決して妥協せず83名もの大原告団訴訟に展開できたことは、利益追求に偏重し過ぎた現在の農協が、本来担うべき協同の精神を見失い、組合員への奉仕と農協運営の民主化を組合員として改めて要求するという必然的な行動なのかも知れません。
「コメ代金」という私たちコメ売渡農家が唯一生業(なりわい)にしているものを、理解出来ない計算方法により精算されている実態が徐々に分かってきました。特に主力品種の「はえぬき」から他品種へ精算額の移転が行われていた事実に気付いた時のショックは大変なものでした。決して数字に強くない原告らが毎週のように集まり、約定・要領・精算書類などを貪るように読み直し、本来精算されるべき金額を確認しながら、指摘事項を一つひとつ積み上げて来ました。「無条件委託販売だから何でも任せられる」という農協側が勘違いしている基本的な論拠、組合員所得の最大限化をも否定する驚愕のピンハネ実態、どこまで闇が深まるのか全農を巻き込んだ巨額不正経理、この裁判の意味を未だに理解していない経営者の農協理事各位および監事殿の面々などなど、「深い溜息」しか出ない学習会になることもありました。しかし、数字は嘘をつかない!気持ちを奮い立たせ膨大な精算書に目を通します。前述の庄内地方の他農協のある人から聞いた言葉です。「農協経営が何処も大変な時、庄内みどり農協さんだけ「高収益」を上げている・・・素晴らしい! 是非その方法を伝授していただきたい・・・!」だそうである。
毎年の農協決算の利益すなわち剰余金相当額がコメ売渡農家のコメ代金からピンハネされていたと分かれば、その方は評価しますか? 自分たちの農協に同じようなことが出来ますか?・・・、答えは「NO」だと思います。
農協への「無条件委託販売・購買」とは、協同組合の精神に則り、「委託者を信頼する」ことが大前提だからです。農協は売買の当事者ではありません。ゆえに「利益を得る」ことは出来ず、経費は実費主義、手数料を組合員から戴いて、残りはすべて精算されなければならないのです。しかし、「まさかうちの農協が・・・、出来る訳がない」と思い続けてきた結果がこの裁判だと改めて考えさせられます。
昨年12月末に営農口座に突然振り込まれた「平成25年産米における販売手数料の消費税還付金」問題、これはどうなっているのか? が、多くの組合員の正直な感想でした。当時、農業青色申告会でも消費税が5%から8%へ移行した年度は税務署から注意を受けていました。ところが農協から全農への委託販売米の売渡実績データを調べると、外税で計算されていた消費税が、全品種8%で精算されていたのです!? 平成25年産米の全農委託販売が4月以降にしか売れなかったことになります。消費税分値上がりする米だけが売れる不思議!? あり得ない数値の打ち込みであることは私たちであっても一目瞭然です!原告らは次回被告に釈明を求めようとしていました。その矢先の消費税還付、農協にとっては得意技の辻褄合わせでしょうか・・・? 山形県・全農の次は国税局をも巻き込む気のようです。 釈明を聞きましょう! それこそ「数字は嘘をつかない、しかし、その説明はまったく理解できない!」、と言うことを肝に命じて法廷に臨んでいただきたい! 今後、裁判を通してすべてのコメ精算の金の流れが解明されます。私たち原告団は「掻く汗に見合うコメづくりの対価」を被告に求め続けていきます。
今回の弁論準備で「大きな方向性」が裁判長より示されました。次回、3月16日の弁論準備に、「今までの経過を考慮し裁判所としての心証を述べる」と仰ったことです。原告代理人の弁護士に聞いた話ですが、「今の時期に心証を述べるということは意外だが、論点が煮詰まってきたからなのではないか」、と・・・。次回からいよいよ裁判が動くようです。同時に、平成25年産米の消費税過払問題とか、これから理解不能な精算実態が明らかになります。農協が組合員に隠す闇は明らかにしなければなりません! 真実の究明は「必ず出来ます・・・!」
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論点大詰め no 弁論準備 2018.02.15
新年を迎え 更なる飛躍をお誓いすると共に
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平成三十年 元旦
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謹賀新年 2018.01.01