次回口頭弁論予定

・2023年第42回12月19日(火)午後14:00~・2024年第43回2月21日(水)午後14:00~山形地方裁判所鶴岡支部の口頭弁論

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判決への道程 その5 誤魔化している証拠!

2022.03.17

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「次期  農協理事が推薦される  心に刺さるだろうか」

難しいのは誤魔化している証拠

「難しくしているのは誤魔化している証拠」

 

 本当に何も知らない生産者が救われない請求事件で終わって良いのだろうか? 関心を示さないでは無く理解できないからではないか?  と自問したときに、裁判を通して段々明らかになってきた今だから伝えられる、農協のコメ精算の実態をひとりでも多くの農家の方に伝えようと、パンフレットを作りました。

 このブログでもなぜ請求するのか? 裁判の争点は何か? 農協は生産者からどのように搾取してきたのか? など、パンフレット内容を基にプラスする形で分かりやすく説明します。庄内みどり農協に騙された4千数百名を超えるコメ売渡農家の皆さんの一助になることを願います。

 

1.未払金請求事件とはどんな裁判ですか

 事の発端は平成21年産米が下落して、出荷時の概算金に過払いが発生した品種がでてきました、しかし農協は全農から返還請求された品種だけからでなく、すべての品種から同額の引き落としを行いました。その時、消費者と値段を決めている品種からも引き落とすことに反対した有志たちが、疑問を持ち調べていくうちに、約定に書いていない控除項目を指摘し返還を求めました。交渉では阿部前組合長が農協に問題があったことを認め、「3億7千万円をお返しするので理解してもらいたい」と不正な精算を認め謝罪しました。ところが、農協は生産者の合意のもとに行った精算であり問題ないと、これまでの発言を取り消したのです。その後も、農協が生産者へ米代金を全額支払わない精算を続けたため、私たちは裁判所の判断にゆだねることとしました。現在130名の生産者が9,100万円の支払を求めています。

 

2.約定書(契約書)に沿った精算とは

 私たち生産者は、毎年農協との間で個別の米売渡委託販売・出荷契約を結び、その契約に沿って農協は米の販売や精算を行います。内容は細かく規定されており農協が勝手に決め精算などを行う事は出来ません。しかし農協は、その約定書に記載が無いにも関わらず、本来生産者に支払うべき販売代金から勝手に「直販メリット」「米販売・生産対策費」を控除し、同意なしに口座から直接「倉庫利用料」と称して引き落としを行いました。さらに、裁判の途上で検査手数料の二重計上も明らかになって請求を追加しました。

 農協への委託販売というのは販売先と販売金額のみを委託しているのであって、農協はその業務で「農協手数料」を得ています。それ以外は2重計上で「第2の農協手数料」と言わざるを得ません。委託販売とはその販売額から実費を控除した残額をもって精算額とします。そのとき、控除する実費は出荷契約時に項目が書かれていて、品種別制度別に各生産者に同じ代金で支払われるものです。

 これらは「共同計算」といわれていて、全農が定める基本要領等に明記されている内容で仕組みは全国の農業協同組合で同一です。共同計算では生産物の出荷に要する費用はすべてまかなわれています。倉庫利用料、販売対策費、検査手数料などを共同計算外で徴収することは想定に無いことです。全国で庄内みどり農協だけは他の農協と異なり、長い間、約定書に沿った精算と共同計算に則った実費だけの控除を意図的に行ってきませんでした。

 

3.直販メッリトとは

   庄内みどり農協が「農協手数料」の他に米代金を農協の収益にするために考えた精算方法です。直接販売をすることによって、全農委託との差額を言うらしいのですが、いかにも儲けたと生産者に錯覚させる言葉で、約定書に一切記載はありません。他の農協では行われていません。さらに、農協が米代金の一部である「直販メリットの半分」を農協の収益にしていた事の説明もしていません。もちろん、私たち生産者は合意もしていませんし、記載が無いため合意も出来ません。

 農協の計算では、平成25年産米「はえぬき」の直販メリットは、1俵当り1,012円になり、その半分506円を生産者の了解もなく農協の収益としていました。これは農協手数料を超える金額を徴収したことになります。この平成25年産米だけで直販メリットは4億円を超える控除を行い、その半分、2億円を超える報酬を農協は不法に雑収入として取得しているのです。

 

4.販売対策費とは

 正式には「米販売・生産対策費」といわれていて、基本的に約定書に記載が無く、あった場合でも約定書に沿った使われ方が行われていません。全農は長い間販売対策費が正しく使われていないことから、平成18年産米から販売対策費の徴収を行わないことに決めました。しかし、庄内みどり農協はその後も毎年7,000万円を超える販売対策費を共同計算外で徴収してきました。

 農協の裁判資料によれば、毎年職員の給与として2,600万円を流用、さらに飲食を伴う接待交際費用に約300万円を使用しています。農協がこれまで、使用した金額は20年間で約14億円にもなります。

 全農は販売対策費として支出の合理性・透明性の確保が困難で、是正ができないほどの問題点が深刻化したので廃止に踏み切りました。庄内みどり農協が全農の通知・指導を顧みず販売対策費を維持し続けた理由は、「第2の農協手数料」として湯水のごとく使いやすい費目だったのです。

 農協が裁判経過で原告からこの費目の求釈明をうけて提出した資料には、上記述した「職員給与」への流用や、商談と称して私たちが税務署にも認められない飲食を伴う「接待交際費」なども平然と並び、果ては「叙勲祝い金」など呆れる費目が多数あり、その資料に書かれている相手先は黒帯で目隠しされて読めないようにしていました。組合員にも見せられない問題だらけの販売対策費だからこそ全農は平成18年に廃止としたのです。これがなぜ庄内みどり農協には残ったのか?  残さなければならなかったのか?  その理由は組合員への情報開示で必然的に解明されるはずです。

 

5、倉庫利用料とは

   販売対策費同様に約定書に記載もなく、さらに共同計算からも保管費として徴収しており、庄内みどり農協では他の農協と異なり、2重徴収を行っています。

 さきほども記述した「委託販売」の実費にあたる「共同計算経費」には、「流通・保管に関する経費」とあり、約定書でも明記されています。それも全農が基準を定めているので、倉庫関係の必要経費はすべて賄われるように設定されています。ちなみに、平成18年産米は約2億4千万円、19年も2億4千万円、20年は2億6千万円、21年は3億2千万円、以下25年まで省略しますが、毎年巨額の保管料を共同計算で使っているのに、農家の口座から直接「倉庫利用料」名目で勝手に引き落とすなど言語道断であります!

 これまで裁判でこの使途を求釈明しても、具体的に示す明確なデータは未だに出していません。出せないのです。そして、この「倉庫利用料」名目で引き落とした金額は臆せず農協の「その他収益」に繰り入れています。

 これらは生産者に全く知らされていません。裁判所に提出した資料によれば、「倉庫利用料」についても、「販売対策費」同様職員給与に流用されていました。

 このように約定書に沿ったコメの精算を求める裁判ですが、確かに「販売対策費」と「倉庫利用料」名目で記載のあった年産米があります。しかし、たとえ記述がある年産米の約定であっても、実費であり使途が明確化されている共同計算経費との2重経費にあたる販売対策費と倉庫利用料は認めるわけにはいきません。これは農協による経費の控除と言わず、勝手に預金口座から引き落とされた「不当利得」なので、約定書にある年産米においても請求します。

 

6、未払金請求額はどのくらいになりますか

    品種によって異なりますが、未払金が圧倒的に多いのは、酒田市の生産者が多く売渡しているはえぬきです。その為、はえぬきを例に試算してみます。年間200俵前後の出荷があり、8年間で約1500俵/60㎏を出荷した方の請求額は、約124万7千円になりました。売渡農家全員をみると、総額約14億円にもなるようです。

 なお、他の品種については、「いいおにぎりの会」ホームページからメール欄がありますのでお問い合わせください。

 

7、私の未払金請求額はどのくらいになりますか

Web キャプチャ_18-3-2022_163428_※私たちの主張を基にはえぬきで項目計算したものです。自動計算はできませんが出荷俵数を入れてみてください。驚くほどの金額になるのではないでしょうか? これほど生産者のコメ代金から搾取したら表面上の経営は安泰です! ある農協元役員の方が「麻薬のようなものだった」と止められない心境を吐露したそうです…⁉。

 

8、最後に・・・

 庄内みどり農協はなぜか裁判の争点について、総代会や集落座談会でも内容の説明を行ってきませんでした。前回総代会で総代からの質問に対しても、「約定に記載があるか無いかです」と答えるだけでした。それは、争点を詳細に説明することによって、約定書に沿った精算や共同計算が行われていないことが明確になるからです。また、返金を求める生産者やあらたに裁判に参加する生産者が増えることを一番嫌がったためと思われます。

     庄内みどり農協は組織の存続意義を棄て組合員の利益より、農協の利益を優先することを選択しました。この様な状況を正すためにも、ぜひ私たちと一緒に農協に対し「約定に沿った精算」を求めてみませんか?

 なお、計算した金額が全て返金されるとは限りませんが、未払金請求額は私たちがこの裁判で農協が出した裁判資料の精算書などを精査して行き着いた結果であり、その主張を基に計算したものです。

     私たちは裁判を通して今後も「約定に沿った精算」を求めてまいります!

 

 ご質問・ご意見は「いいおにぎりの会」のHP(e-onigiri.net)よりお願い致します。

 

 庄内みどり農協の未来を考える会

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判決への道程 その5 誤魔化している証拠! 2022.03.17

青天の霹靂(へきれき)

2019.06.07

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    晴れ渡った空に突然起こる雷のことを「青天の霹靂」と言うそうです。その意味は「予想だにしない出来事が突然起こる様子」を表すことわざに使われています。じつは東北青森のイネの品種名およびコメの銘柄名にもなっていて、公募から命名されたのですが、その奇抜なネーミングが消費者ウケしたばかりか、2015年より本格販売されて、食味ランキングでも3年連続 特Aを獲る人気で毎年品薄状態なのだそうです。昨年は、私たち山形県庄内地方の主力品種の「はえぬき」が長年連続 特Aを逃した初めての年でした。その原因を天候不順とか、作り易い品種への傲りがあったとか、サンプルの抽出方法が変わったなど、言い訳がましい声だけが聞こえますが、高品質・良食味のコメを作り続けるという気概だけは失くしたら駄目だと思っている今日この頃です・・・。

 

    さて、新元号 令和になって田植えの農繁期が終わり、いよいよ「庄内みどり農協第25回通常総代会」が開催されます。今回は農協理事・監事の皆さんの役員改選が議題に上がります。すでに事前に各地域で選考委員の推薦を受けた方々で、組合員は他の地域の役員候補者は馴染みがない訳ですが、今回の総代会資料には役員候補者として略歴と顔写真が載っていました。今まで見慣れた理事・監事と見覚えがある新人理事候補などの中に、現庄内みどり農協代表理事組合長と専務理事が居ない!?ことに気が付くはずです。組合員の中では「70歳定年制」だとか、「中央会人事と関連あるかも」とか、「やはり健康問題かな?」など、勝手に推測で話てるようですが、真実はご本人しか知らないことですよね・・・。ただ、いまの庄内みどり農協が現在進行形で行われている「コメの精算問題」が原告・被告双方の訴訟合戦にまで発展している現状で、「最高裁まで行く!裁判を受けて立つ!」と、おっしゃった張本人がご退職なされることに、原告の皆さまとしての心境は「まさに青天の霹靂」だったのではないでしょうか。今回は最後の総代会挨拶と議事答弁になります。「いままで出せなかった新たな証拠」など是非ご発言戴きたいものです。

 

 現在行われている弁論準備(原告・被告・裁判官らによるラウンドテーブル方式の小法廷)も回を重ね、前回4月10日の法廷で裁判長は今年の11月頃を結審としたい旨のご発言がありました。昨年の3月の口頭弁論で裁判所が示した「心証開示」以来、この訴訟の方向性がようやく見えてきたので、原告団としては「やっと判決を戴ける」と、時間稼ぎで足掛け3年もの時間を費やして、農作業にも支障が出ている「本末転倒な農協の姿勢」を改めて糾弾しなければと思っています。

 民事訴訟とは口頭弁論での準備書面とそれらに関わる証拠書類などのやり取りが裁判の争議内容となります。裁判所の心証開示から1年以上も経過して、問題にしている直販メリット・倉庫利用料・生産販売対策費以外に新たに不正な控除項目の発見や、説明出来ていない精算書への指摘が増えるばかりです。そのための膨大な証拠資料となるので、現段階で被告農協に反論する内容の一部をもって裁判経過をご説明する一助といたします。

 

被告は協同組合の目的を逸脱している。

 被告代理人筆頭弁護士の阪本清氏著「農協の経済取引と法務」によれば、「組合は、その行う事業によって組合員及び会員のために最大の奉仕をすることを目的とし、営利を目的としてその事業を行ってはならない」(法八条)。自ら常に最大奉仕の原則を忘れないようにしなければならない。と記述している。

時効を認める事は出来ない

 被告農協の答弁書で、平成18年産米にかかる原告の請求については、10年が経過し消滅時効が完成していると主張している。法律では10年の時効があるが、農業協同組合の性格上阪本氏が訴えるように「組合員への最大の奉仕」という目的を考えれば時効を設けることは認められない。

 みどり農協は共同計算から逸脱した方法でコメの精算を行い、委託販売の残金を返金しないでいたのに時効を主張することは出来ない。この間被告自体が米の精算方法の間違いを認め、反訴したことをみれば間違った精算方法を改める必要があり、正しい精算方法を行ってはじめて10年の時効が発生すると考えるのが普通である。

 

倉庫利用料は規定無いのに徴収

 倉庫利用料については、問題発覚後の平成27年3月になって初めて規定された。しかしそれまでの間、規定・要領がないままに徴収しており、これ自体が違法である。生産・販売対策費も約定書に記載がないまま、共同計算方法に違反したやり方でこれまで行ってきている。直販メリットは、約定書に記載が全くなく、生産・販売対策費同様 共同計算方法に違反したやり方でこれまで行ってきている。

資料から不正精算を知ることは出来ない

 一方原告ら生産者に対して、農協から示された資料をもって内容を把握することは困難であり、原告生産者が農協の不正な精算を確認出来たのは平成26年からである。 多くの組合員は現在も農協側の「遊佐の問題である、開発米の問題である」と矮小化した嘘に惑わされ、さらに、総代会・農協座談会では裁判については組合員に全く説明もなく、合わせて正しい説明がこれまで行われなかったのだから、他の組合員は知る由もない。

 

現在も続く人権侵害

 また被告農協は、いままで組織的に原告への資料開示を遅らせると共に、裁判を受ける権利を侵害し続けている。具体的には農協は、数量確認を行いたく資料請求を行った生産者に対し、数量の開示を故意に遅らせ、この間裁判を起こす前から個人情報を漏らし、「組合長が怒っている」、「親戚に農協職員がいるだろう」等と農協職員・OBらを使い、数量確認者に圧力を掛け続けている。

 つい先ごろの数量確認者には、「総代会で表彰を受けるそうだが、そうなると・・・」と、圧力の電話があったと聞く。その生産者は当然強く撥ねつけたようだが、この農協は狂っている! ある農協理事は不正に情報開示されたリストを持参し全く関係のない組合員らと一緒になり、数量確認者に対し知る権利、裁判を受ける権利を侵害続けている。

 私たちは農協に強く抗議すると同時に人権救済機関への手続きを行っています。そのような圧力農協理事が「コンプライアンス担当理事」になるような庄内みどり農協にしてはなりません!

共同計算を自ら逸脱

 被告農協は準備書面で「共同計算」について説明している。農協は生産者から販売委託を受けた農産物をまとめて需要者などに共同販売する。農協は共同販売により得た売上代金をプールし、経費や農協の手数料等を控除して、生産者に分配する。この仕組みを「共同計算」という。と記載している。しかし、この説明によればこれまで被告が行った米の精算は「共同計算」ではないと被告農協自らが証明したことになる。

 その理由は、被告は共同販売により得た売上代金の一部(直販メリット)を約定に記載のないまま徴収しているからであり、検査手数料に関しいえば、共同計算収支項目別取扱要領に、独自経費徴収額等と言う項目は一切なく、費用のマイナス徴収(返金)など共同計算では行わないからである。

 

収入と経費から不正徴収

 さらに、JA庄内みどり米穀共同計算基本要領を定め、米穀販売事業での共同計算を行っている。と言っている。しかし、これまで販売代金からの不正徴収だけでなく、経費においても不正精算を行っている。

 JA庄内みどり出荷契約米等共同計算収支項目別取扱要領によれば、支出項目の内容が細かく記載されていて、倉庫利用料(保管料・入出庫料等)・検査手数料(生産・集荷・販売等に係る経費)について記載されている。このことから本来、共同計算内で精算しなければならない経費を共同計算外で精算しており、自らが定めた要領を守らず精算を行ったことを被告自らが証明している。

不正を被告自らが証明

 農協側の準備書面によれば共同計算外で徴収した倉庫利用料を事業収益にいれ、共同計算で徴収した保管料・荷役料と一緒にして精算を行っている。明らかに共同計算違反である。

検査手数料についても準備書面と証拠書類で明らかな差異が見られる。その他の年産米でも同様の状況であり説明を求める。説明内容によっては再請求する場合がある事を予備的に伝える。

 

 

裁判に関係ない資料の提示

 農協側の準備書面によれば販売対策費の収支及び使途について、徴収はしたが使用しなかった残額については生産者にお返ししていると記載されている。

 しかし、その該当年度に「JA庄内みどり直接販売対策費取扱要領」は定款に記載が無い。記載があるのは、「米穀直接販売取扱要領」であり全く内容の異なるものであった。これらの要領は、平成27年3月25日より施行されたものであり、平成18年産米から平成25年産米までの問題を争っている中で、平成27年以降に施行されたものをいかにも以前から記載があるような主張を認めることは出来ないと共に、私文書偽造で犯罪であることを指摘する。

自ら策定した要領を守らない被告

 さらに、被告農協自体は平成23年産および平成24年産に関する提出証拠書類に基づき精算をしているとしているが、策定された要領を見ると、財源の徴収方法では、徴収した米販売対策費・直接販売対策費は返還しないものであると明記されている。

 準備書面では平成23年、平成24年証拠書類に基づき支出したものであり、残額については生産者にお返ししたとある。これは、提出証拠書類に基づいて精算を行っていないことを自ら証明している。

 

 

 これらのように、被告農協による準備書面の裁判所への提示内容には呆れるばかりです。原告生産者としては徹底的に反論して明確な釈明を求めていきます。

 今春、庄内みどり農協における裁判担当を職務にしていた「総合対策室長」が交代しました。今までコメの精算に関わってきた前職員は別の部署で「危機管理担当」となったそうですが、新しくなられた職員の出身地が、原告が最も多い「遊佐地域」の職員であることがやるせない現実となっています。まだ「遊佐の問題&開発米の問題」だと思わせたいのか?「これは不正なコメの精算問題ですべてのコメ売渡農家の問題」だと認識しつつある原告生産者が全地域へと拡がり120名近くに至っても、まだ農協は方便を続けるのでしょうか? 

 任命権者である阿部組合長の意図とは別に、この新しい裁判担当職員がとある農協OBの方に心境を吐露したそうです。今回の異動は「青天の霹靂」です・・・と。

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青天の霹靂(へきれき) 2019.06.07

爆弾低気圧の中 埼玉へ ーPart2ー

2018.03.12

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カーナビ3

 

「く~みあ~いちょー! お客さ~んでーす!」女性職員が奥の組合長室に居られるK氏に向かって、自分の家の親父様のように気さくに呼びかけた事務所の明るい雰囲気に、どんな強面の組合長かと、緊張した面持ちで玄関に入った私らも、思わず気持ちがほぐれました。どこぞの組合長は、とある支店に来ると居並ぶ職員たちを眼光鋭く威圧的に見渡すので、思わず職員たちの背筋が伸びると話しをお聞きしていたもので・・・。

埼玉酪農協同組合 K組合長の話をする前に、Part1で載せた「株式会社MMJ」が作成した図1.図2.に図解しているとおり、なぜこの問題が発覚し訴訟まで発展したのかを若干ご説明いたします。

 当初、全農系の酪農家は10%しかなく、独自系の酪農家が90%にまで偏っていた。当然その理由は流通経費がかさんだコスト問題であろうが、事もあろうに全農は不正に共同計算で控除して集めた金を、その10%の全農系の酪農家へ対策費として回したのである。そのため全農系に出荷する人が増えるという逆転現象が起こった。これでは不正控除の金額も減ることになるので対策費が払えず、当初貰っていた収入が大幅に減ったことに疑問を持ったある方が会議で全農埼玉の職員に問い詰めたところ、全農系では本当は6.5円/kg  経費が掛かっていたことを告白して会議は紛糾し問題が露呈した。裁判前は「牛乳に関する事はすべて組合決定に従う義務があると、生産者・農協役員・農協職員の認識不足が根底にあった。

 

ご紹介して戴いた M社長と私ら3名がテーブルの中央に特大の灰皿が置かれているソファーに坐って待ちます。女性職員からお茶を出され、ほどなくして「埼玉酪農協同組合」代表理事組合長 K氏が応接室に・・・。

名刺交換(私らは自作した原告団 事務局と、庄内みどり農協の未来を考える会 事務局のを作った ← 立派!)をした後に、さっそく私らの訴訟内容と、なぜ埼玉の判例を伺いにお邪魔したのかをお話ししました。ときどき煙草を燻らしながらジッと聞き入る K氏、農業協同組合の販売事業に係る農家と農協の委託契約と約定・要領などに話が及ぶと、「無条件委託販売」という言葉が独り歩きしている。本来は無条件は在り得ない、農協への委託販売とは販売価格と販売先の選定のみを委託しているのであって、農協理事会(役員会)で何でも決議できるはずはない、と理路整然と力強く言い切り、さらに、組合員と農協の間では活字で交わす委託販売契約書でなければならないと、協同組合の基本中の基本を話されました。

また、私らのコメの直販メリット・倉庫利用料・販売対策費などが農家の合意なく引き落とされている点を伺うと、本来農業協同組合の収入は売渡農家からの「販売手数料」だけだ、必要項目であれば個別に委託販売契約書に記載することが必須で、そのことにより「合意」とされなければならないと明確におっしゃいました。また、このような判例が他になかったかをお聞きすると、農協は役員会で何でもできると勘違いしている。だから、一部の役員と職員が結託して悪いことをする。我々の裁判の場合前例がなかったが、判決後は全国から問い合わせがあった。裁判はキッチリとした証拠を揃えて、良い弁護士と良い裁判官に恵まれることだ!

意外だったのは、M社長側から裁判判決を伺ったのは「さいたま地裁熊谷支部」の判決であって、被告の全農は控訴して東京高裁に上告。2審でも覆らず被告全農側の傲慢な裁判態度と「悪意の利得」をも考慮され、地裁判決で2億8千万円の賠償額に1億円を上乗せされ、3億8千万円まで跳ね上がったと背筋が寒くなるような判決を受けたようでした。なお、1審判決の後、2審判決では異例の、26ページにも上る判決文(主文)の言い渡しがあったことも付け加えました。この裁判を原告全面勝訴で結審した全農側は「値引き」を願い出るなどしたようですが、資産売却して賠償金を捻出し全額払ったそうです。

 

そんなに長い時間の応対でもなかったのに、K組合長とM社長、それに私らの空間に阿吽の呼吸とでも申しましょうか、話題のすべてが理解し合える「同志的」な気持ちになった気がしました。さすがカリスマ組合長です! 会議の時間が迫っているのに、私らには今後の裁判を戦う上で参考になるたくさんのアドバイスまでして戴きました。有難うございました! でも、K組合長、煙草は少し控えた方が良いですよ! お体をご自愛してくださいね・・・。

今回の「群馬・埼玉行き」で得た貴重な体験は、「庄内みどり農協の未来(あす)」を考えるうえで大変参考になった「学習会」でした。と同時に83名の原告団の主張が間違いでなかった事の証明にもなったと思っています。私たち原告団は今までコメの精算方法の間違いを裁判を通して明らかにしてきました。庄内みどり農業協同組合が「間違えた方向」に行こうとすれば、組合員皆で正さなければなりません。一部の役員・職員に組合員と違う道に進むことを「ナビゲーション」させて良いでしょうか? 私たち組合員はこの裁判を切っ掛けにして「庄内みどり農業協同組合の本来進むべき道」を指し示めして行きます!

 

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爆弾低気圧の中 埼玉へ ーPart2ー 2018.03.12

爆弾低気圧の中 埼玉へ ーPart1ー

2018.03.09

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  1. 2月から3月に入った直後、北海道沖で発達した爆弾低気圧の影響で、春の嵐が吹き荒れる日本海東北道を新潟方面へ向かい車を走らせました。

車中、筆者を含めた「庄内みどり農協の未来を考える会」のメンバーの話題は、やはり、秋田魁新報がスクープした「JA秋田おばこ の直販米の未収金・累積赤字問題」でした。「これって、農協が組合員にコメの仮払金を多く払ったんだよね・・・!」「JA庄内みどり は組合員から多くピンハネしたんだよ~、どっちが悪質なの!?」

途中新潟から関越自動車道の手前で強風のため通行止め区間が発生し、下道に行くようにと車のナビは容赦のない指示を出します。しばらく行っても高速道路へ戻るような気配はありません。「おかしい!」このままだと郡山・会津若松方面へ行くことになる。車のナビの命令に逆らってスマートホンを取り出してナビ開始、こちらの指示は新潟に戻れだと!? 磐越自動車道に上がり、新潟方面に逆走することになりました。スマートホンは通行止めになった区間が解除になり、磐越→東北縦貫道より新潟へ戻って関越自動車道を行った方が到着時間が早いと判断したようです。「すごい!情報力の差なんですね!」

 

実は今回の埼玉行きの目的は、昨年春の口頭弁論の中で、人事異動で私たちの担当になられた裁判長が、初めての法廷で述べた言葉に注目したのが切っ掛けでした。組合員が農協を訴える裁判は全国的に多くはありません。そのような中、山形地方裁判所鶴岡支部第1法廷で裁判長は、「判例もあるようなので・・・」と、仰ったことが私たち原告団では話題に上っていました。

インターネットを検索しまくり、ようやくヒットしたのが、「埼玉全農、生乳再販制度悪用に判決」という、群馬県伊勢崎市にある株式会社MMJ(酪農家と乳業を仲介する会社)のホームページの中で、当時の判決文(主文)まで載せられていました。読み進むうちに、コメと生乳、全農と単協の差があるけれど、農家が大きな組織に立ち向かった裁判例であり、私たちと全く同じ内容ではないかと確信しました。

そこには、国からの補助金が唯一受けられ、生乳集荷を全農系農協だけでなく、埼玉県下のその他の酪農家からも一手に吸い上げ、委託販売を請けていた「旧埼玉経済連」が、その利権に胡坐をかき続けコスト削減を怠ってきた結果、経費がかさんだ全農系農協集荷を守るために、「無条件委託販売」での契約上の共同計算に載っていない不条理な控除項目を、全農系外の酪農家の乳価から天引きし、なおかつ体裁を繕うブラックマネーを全農系農協の酪農家だけに還元してきたという、どこかで聞いたような不正経理を告発する裁判だったのです。

私たちは株式会社MMJに、何とかこの訴訟に至ったお話と顛末をお聞きしなければ、と。幸運にもM社長が応対して戴けると言うことで、今回お伺いする事ができました。

(図1.図2.株式会社MMJ ライブラリより引用)

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午前10時にお会いすることを約束していただいた株式会社MMJの代表取締役社長  M氏は、平成14年から16年まで2年間にわたった裁判の経過や判決の内容、全農系列農協側から受けた露骨なパワハラ圧力など、貴重な経験談をお話しいただきましたが、私たちの訴訟内容の説明はさすがに難しかったらしく、裁判で焦点となっている弁論内容をひとつ一つ説明すると、「似ていますね!」と、仰っていただきました。ホームページ内容だけからでなく、実際に裁判の内容を直接聞けたことは本当に来て良かったと思い、そろそろ、お暇しようとした矢先、M社長から思いがけない提案がありました。

「この裁判を進めた原告団のリーダー、埼玉酪農協同組合の  K組合長をご紹介したい。いま連絡を取ったので、会議が始まる午後2時までは私たちと会っても良いとご返事をいただきました」。    すわっ! M社長が運転する排気量3,700cc  スカイラインが高速道路を爆走する後ろに必死に付いて行きました。「はやっ!」

「埼玉酪農組合」に到着後、応接室で待たされます。よもやお会いできるとは思いもしなかった K組合長、後日談で、この裁判が結審後に埼玉 K氏の名前は農林水産省内に知れ渡ったとのこと。緊張してお待ちしました・・・。(Part2へ続く)

 

株式会社MMJのホームページにこの裁判内容が詳しく載っています。

https://milkmarket-japan.com/library/saitama-zen-noh-trial/ruled-on-abuse-of-raw-milk-resale-system

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爆弾低気圧の中 埼玉へ ーPart1ー 2018.03.09

未払精算の実態を学習会で共有

2017.01.21

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庄内地方の他の農協も、ましてや山形県内、いや全国の六百数十にのぼる単協でも、出来ない、出来るわけがない、やってはいけない事と誰もが認識されている事が、私たちの「庄内みどり農協」では当たり前のように行われてきました。考えられないコメ精算の控除に名を借りた組合員からの搾取、個人情報保護規定の不履行と指摘した組合員や提訴予定者への露骨な圧力、組合員が農協を良くしようと学習会を開くことに対して施設使用不許可、など枚挙に暇がありません。今後、農水省・山形県などの上部へ相談しながら改善を要求します。また、裁判においては、だれが、どのように、いくらか、を正確に追求することで、「庄内みどり農協の精算方法の実態解明」が徐々になされて行くと思います。ご注目ください。

さて、今回のコメ精算における未払金支払事件の原告団も29名に増え、その後の追加予定者の輪も広がりを見せてきました。いま何が起こっているのか?何が裁判の焦点になろうとしているのか?多くの組合員は疑問に思うことはあっても、農協が説明しない現状では知る由もありません。不都合な実態は隠し切るつもりでしょうか。

我々は何とか解りやすく説明をしなければならないと思っていますし、いかに理不尽なコメ精算であるかを他の組合員に理解していただきたいとの思いで、今後とも「庄内みどり農協を考える」学習会・説明会を開いていきます。

 

図1.平成25年産米を例にとった直販メリットと称する控除(庄内みどり農協を考える会学習資料抜粋)


平成25年最終精算の現状

図1.は平成25年産米を例にとり、直販メリットの農協取り分として搾取した流れと品種別の金額です。はえぬき・ひとめぼれは大変なご負担を強いられていることがわかってきました。本来なら上部の金額で品種ごとの精算であるべきなのです!

 

図2.平成24年産米を例にとった品種別再分配精算(庄内みどり農協を考える会学習資料抜粋)


平成24年最終精算の現状

図2.の平成24年産米では、私たち組合員有志がこの精算方法を指摘し続けた成果?なのか分かりませんが、この年の直販メリットの農協取り分は搾取しませんでした。農協は「全額返した」と言っていますが、同額を返金のはずがここでも品種別の正しい精算ではなく、はえぬき出荷農家から多額に控除したものを他の品種に振り分けている実態がわかります。酒田地区の中核コメづくり組合員は、ほとんどこのような不利益を被っているのです。

今後も全容解明と組合員ひとり一人の未払い金を明らかにして返還させる運動を広げていきます!

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未払精算の実態を学習会で共有 2017.01.21

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