真実の究明 ―Part1―
2017.09.08
先日、毎日新聞に「奇観!朝日を受けて日本海に映る影鳥海」の記事と写真が載っていました。
以前このブログの「種まき爺さん 様」からの応援メッセージに、「真実という頂は一つしかない。その真実を追求するために険しい登り口をあえて選んだ君達を称賛します!」との励ましメールをいただいたことを思い出しました。(応援メッセージ&こころざしカンパ←皆様、本当にありがとうございます。)
私たちの運動は、組合員の誰からも信頼こそされ、疑いようのないと思われてきた庄内みどり農協がコメ農家と交わした個別出荷契約書(売渡委託契約)に不記載の控除項目があったり、理事会決議したにもかかわらず当たり前の品種別・制度別の精算も行ってこなかったなど、独自に創作した控除計算方式で莫大な金額を搾取するという農協の驚くべき実態を解明する裁判とも言えるのです。まさに真実の究明を果たすことが私たち「庄内みどり農協の未来を考える会」の使命だと思っています。
昨年の6月、4名の原告の提訴から始まった裁判も5回の口頭弁論が開かれていますが、庄内みどり農協は全面的に争う姿勢を崩していません。また、この異常な精算方法がほとんどのコメ売渡農家にとっては難しく理解できない状況なのです。私たちは今まで関心のある組合員ひとり一人に丁寧な説明を行ってきました。結果、多くの皆様から賛同をいただき現在まで予定者も含め80数名が提訴する大原告団訴訟へと展開することができました。そして第1陣としての訴訟内容を裁判所から認めていただくための口頭弁論に臨んでいます。今後は判決に向けた慌ただしい裁判となると思いますが、問題意識を持っていただける組合員も着実に増えているので、第2陣さらに第3陣へと、なお一層コメ農家の組合員への拡がりを期待するものです。
そもそも、このコメ精算問題の始まりは平成21年産米の取引米価が暴落し、全農委託販売米としての精算において仮渡金に過払い請求が起こった事が発端でした。消費者と独自に値段を決めて過払い請求が起こるはずがない「遊佐開発米(約10万俵)」からも口座から差し引く、農協の暴挙と言える精算方法に疑問を持ち始めた当時のある組合員有志は、本来生産者へ精算すべき残金を手数料以外で農協の「利益」となる控除項目を見つけ出しました。それが、「直販メリット」や共同計算外での販売対策費・倉庫利用料で、全国の農協がどこも行っていない疑惑の精算方法だったのです。かつて政府米と自主流通米の差額が「メリット」として御盆前に入って有難かった時代がありました。そんな精算方法をコメ売渡農家は「直販メリット」にイメージしていたと思います。
私たちは農協への委託販売とは共同計算方式での経費と手数料収入しか得られないという「無条件委託販売」の大原則を覆していることがわかりました。農協とコメ農家個々との毎年交わす契約書や他の農協の情報を得て精査、そのブラックボックス化した搾取方法の解明に向けて様ざまな方々からご助言をいただき学習会を重ねてきました。
その中で前述の「遊佐開発米」栽培農家の組合員有志は平成21年産米で農協から引き落とされた不当な精算額の説明と返金を求めたのです。これが現時点の裁判では大きな焦点になろうとしています。
第18回総代会で八幡地区選出総代の方より、遊佐開発米への引き落としの返金の経緯を遊佐地区総代に質問が出たとき、総代同士の質問は受ける場でないと議長判断で担当職員および最終的には阿部組合長の「返金ではなく支援金である」との答弁内容が総代会 議事録に載りました。開発米への直販メリット相当額を返金ではなく農協からの支援金と言い訳したのです。あくまで支援金だと言い逃れするのであれば、今回の訴訟における平成21年産米で原告の支払請求額には載せることになります。返金という性格の場合は精算方法が間違っていたと認めることですので、この裁判は簡単に終結する訳です。前回の第5回口頭弁論でも裁判長から関心事項として次回まで説明するように言われました。
今回の未払金支払請求事件では、農協と委託者であるコメ売渡農家との当事者間で「合意の有無」が最も大きな論拠になります。私たちの言い分は「法的に有効な合意」がされていない不当なコメの精算であるとの考えに基づき、控除金額の返還を求めています。農協は「いつ・だれが・だれと・なにを・どのように~合意したのか」の詳細な根拠を裁判長より求められましたが前回まで提示されませんでした。
農協が有志と交わしたと今になって再度主張し始めている「不提訴の合意」も、そもそも法的には何ら合意と言える代物ではないことは、第1回口頭弁論で被告代理人が認めています。何よりも、ほとんどの原告の方々には何ら関係のないことです。被告の言い分は迷走し、農協座談会資料や精算書の配布により、組合員から異論が出なかったと言う「黙示的合意」、最後は農協理事会での「組織的合意」まで持ち出して、4,500名のコメ売渡農家ひとり一人と庄内みどり農協 代表理事組合長 阿部茂昭が個別出荷契約書に「署名捺印した」事実をないがしろにするような主張には、断固として反論をしていきたいと思います。
庄内みどり農協を相手取り訴訟を起こして早や1年3か月になろうとしています。来週からは飼料用米の稲刈り作業が始まり、主力品種の「はえぬき」「ひとめぼれ」「つや姫」、新品種「雪若丸」など庄内みどり農協管内が稲刈り一色になります。9月22日には第6回口頭弁論が開かれる予定です。私たちが春作業で忙殺されそうな時でも、今回の稲刈り真っ最中でも裁判に出廷し続ける意味とは「真実の解明」です。いまは雲に隠れている鳥海山の頂(いただき)も、何時かは晴れやかな空になり眩しい朝日で庄内みどり地域を照らす姿を待ち望んでいるからなのです。
(↑次回Part2では影鳥海の隠された闇の部分に迫ります!?)
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